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構造解析 車体ロバスト性向上のための解析結果ばらつき評価ツール DIFFCRASH

ばらつき抑制のための対策(ロバスト設計)事例

[解析事例] ##タイトル##

前面衝突解析を題材としたフロントサイドメンバーのばらつき対策事例

自動車の前面衝突解析を題材として、DIFFCRASHによるばらつきの可視化と原因分析、ばらつき抑制のための対策を行った事例です。 解析モデルはNCACより公開されている有限要素モデルを使用し、USNCAPのフラットケースを想定した条件を与えて、前面衝突の際に主要な役割を果たすフロントサイドメンバーに着目しました。フロントサイドメンバーは、車体前方からの衝撃荷重を受け止めてキャビンを減速させる際に、自らの変形によりエネルギー吸収を行うクッション材として作用する部材です。

生産ばらつきを与えた解析の実行

本事例では、生産ばらつきを考慮するため、全てのスポットウェルドに対して破断閾値をばらつかせた50ケースの計算を行いました。

解析モデル

計算時間の短縮と問題の単純化のために、モデルは左右対称1/2モデルとしました。また、フロアとルーフより後ろを剛体化して質量を与え、車体後半の慣性力によりフロントサイドメンバーが変形する状況を再現しました。
ばらつきはLS-DYNAの破断閾値パラメータで設定し、ベンチマークのために、やや極端な±20%という値を与えました。

解析モデルの単純化 解析モデルの単純化

スポットウェルドの破断閾値を設定 スポットウェルドの破断閾値を設定

ばらつきを与えた計算結果

50ケースのうちのいくつかを重ねて表示すると、折れ点付近に変形のばらつきが見られました。下のグラフは全ての計算結果について、剛壁からの反力を重ねて描画したものです。8ms付近に分岐が現れ、その後全体的に荷重のばらつきが見られています。

5ケースを重ね合わせた変形アニメーション

5ケースを重ね合わせた変形アニメーション

50ケースの解析結果:剛壁からの反力 50ケースの解析結果:剛壁からの反力

DIFFCRASHによる要因分析

DIFFCRASHに50ケースの解析結果を入力し、ばらつきの分析を行いました。

DIFFCRASHへのインプット

50ケースの解析結果を、DIFFCRASHにインプットします。必要な設定は、分析に使用する全ての解析結果、可視化のベースとなるモデル、出力フォルダの指定です。追加設定として、ばらつき表示オプション(距離、最大差異など)を指定することができます。

シンプルなDIFFCRASHの設定画面 シンプルなDIFFCRASHの設定画面

ばらつきの可視化

下の右図は、DIFFCRASHによるばらつきの大きさの分析結果です。分析結果は、d3plotなどソルバーの結果ファイルのフォーマットで書き出され、通常利用しているポストプロセッサーで可視化することができます。ケースごとの結果のばらつきが大きい部分がコンター図で高く表示されるので、問題の特定に役立ちます。この例では、バンパービームとクラッシュボックスの付近が赤色で表示され、ばらつきが大きいことが確認できます。

左:5つのシミュレーション結果の重ね描き、右:DIFFCRASHの分析結果プロット

左:5つのシミュレーション結果の重ね描き、右:DIFFCRASHの分析結果プロット

ばらつきが大きい箇所が赤色で示されている ばらつきが大きい箇所が赤色で示されている

分岐の原因(トリガー)の推定

統計的に最も離れた変形状態をポストプロセッサーで重ね描きすると、差異がある部分を見つけることができます。この例では、DIFFCRASHによる分析でばらつきが大きい(コンター表示の値が大きい)とされた箇所に注目し、スポットウェルドの挙動の差を確認することができました。この挙動のばらつきを抑えることで、全体のばらつきを抑えることができる可能性があります。

統計的に離れた変形状態 統計的に離れた変形状態

重ね書きによるハイライト表示 重ね書きによるハイライト表示

スポットウェルドにおける挙動の差 スポットウェルドにおける挙動の差

ばらつき抑制のための対策(ロバスト設計)

DIFFCRASHでの分析により、入力のばらつきが出力に影響しやすい箇所が判明しました。そこで、該当部分に対策を施して、出力のばらつきを抑制しました。

スポットウェルドへの対策

分岐のトリガーとなっていると考えられる箇所のスポットウェルドに対して、結合を弱める、あるいは削除するといった対策を行いました。それ以外のスポットウェルドには、初期のばらつきをそのまま与えました。

分岐のトリガーと考えられるスポットウェルド

分岐のトリガーと考えられるスポットウェルド1

分岐のトリガーと考えられるスポットウェルド

分岐のトリガーと考えられるスポットウェルド2

スポットウェルドへの対策 スポットウェルドへの対策

対策の結果

バンパーとクラッシュボックス付近に行った対策の結果、フロア侵入のばらつきが抑えられました(コンターの変化が減少)。また、剛体反力、フロア侵入量のばらつきについても、全体的に抑えることができました。
本手法を拡張する事により、将来的には形状や材質、境界条件のばらつきを含んだケースに対しても効果的な対策の指針を示す事が可能と考えられます。

フロア侵入量のばらつき抑制 フロア侵入(形状)のばらつき抑制

剛体反力のばらつき抑制 剛体反力のばらつき抑制

フロア侵入量のばらつき抑制 フロア侵入量のばらつき抑制

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  • ※車体モデル提供:NCAC/GWU
  • ※DIFFCRASHの開発元はSIDACT GmbH(ドイツ)です。
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